ナイト・オブ・ヒロシマ

 12月8日、夜も更けてきた頃、私は血を分けた仲間たちと広島の街を歩いていた。寿司を頬張りながら酒を飲み、至高の晩餐を済ませ、仲間たちと旅行の思い出にふけった。

 これから白魚をつまみながら買っておいたキンキンのビールと共に一日を締めくくろうとしたその時、一陣の風が吹く。

 同日、私は団体を背負って立つ身となり新しいい自分が生まれようとしていた。また少し雑談をし、そろそろビールを開けようかと手を伸ばしたその時、流れが変わった。   

 私はベッドに身を任せ、数秒全神経を巡らせて思考、同人、立ち上がる。少し歩いたその先には「天照」の看板があった。そう、私達は風俗に来たのである。未知の領域、右も左もわからないまま案内され、仲間を見送る。

 もう一度言おう。私は同日、サークルの会長になったのである。私はいったい何をしているのだろう、と考える暇もなく待機部屋に案内される。「大丈夫、看板にいる子はみんな若かったし何とかなる」そう言い聞かせなせながらカーテンを開いて見上げると、誰だこいつは。

 どうやら私の相手らしい。一日働いて疲れただろうと労いの意を込めて雑談を交わしているがしかし、松下に電流走る。なんか知らんけど7つ上らしい。7つ、看板にそんな子いただろうか、7つてあんたポケモンの世代金銀やないのか、一年に一個ドラゴンボール集めたらとりあえず一周するし、そう思いながら階段を上り部屋へ。

 齢21にして初めて入った部屋で思わず「すげー、公園みたい」。すまん嬢、こんなに面積を風呂が占めているとは思わなかった。この無礼は許してくれ。

 まぁここから先を事細かに書くのは野暮というもの、嬢に案内されるまま介護老人のごとく始まり完走。めでたしめでたしでこの一日は幕を閉じた。まぁもう行かなくていいかな。

 これがサークル会長就任初日に完遂したことであり、後にも先にもこんなあほ間抜けはいないだろう。てかいない方がいいし。

 会長初日、マイナスからのスタートか、それとも絶好のスタートか。それは各々の判断に任せるとしよう。